5年前にあきらめたトマトを、もう一度植えてみた

神戸では4月の半ばを過ぎると、苗を植えるのにちょうどよい暖かさになります。今年の4月中旬、私は5年ぶりにミニトマトの苗を1株、鉢に植えました。5年前は脇芽の処理も誘引もうまくいかず、あまり詰め詰め実がつかないまま終わったのです。それきり野菜からは遠ざかっていました。今日は、手間のいらない品種に出会って植え直してみた、その植え付けから今までの2か月半緑ほどの話をします。今のと次ころ、青い実が育ってきています。

目次

5年前、トマトがほとんど採れずにあきらめた話

脇芽と誘引でつまずいた記憶

5年前は、花壇にきゅうりとトマトを2苗ずつ、地植えにしました。今思えば、知らないことだらけのまま始めたものです。苗を買ってきて土に植えれば、あとは自然に実がなるものだと、どこかで思っていたのかもしれません。

つまずきのひとつは脇芽でした。脇芽かきという言葉も知らないまま、伸びるにまかせて育てていたのです。枝は四方に広がり、株は日に日に茂っていきました。葉ばかりが立派になり、肝心の実のほうへ栄養が向かっていなかったように思います。

もうひとつが支柱でした。立てた支柱が細く、どんどん高く伸びるトマトには強度が足りなかったのでしょう。家は風のよく通る地域です。特に低気圧が通過するときや雷雨などでいますいます強い風が吹くたびに株が傾き、何度も立て直しました。そのたびに根を傷めていたのかもしれません。

花壇の土の栄養も足りなかったのか、実つきは今ひとつでした。収穫は、きゅうりが10本ほど、トマトも10個ほどで終わりました。手間をかけたわりには、寂しい数だったと記憶しています。

採れたトマトを口にしたときのことも覚えています。近くの農協の販売所で買うものに比べると、甘みも酸味も乏しく、味気ないものでした。これなら買ったほうがおいしい。正直に、そう感じてしまったのです。

収穫量は少ないのに、採れる時期だけは重なって食べきれない、という難しさもありました。少しずつ長く採れるならよいのですが、そううまくはいきません。それなら食べる分だけ買うほうがよい。そう思って、それきり野菜から手を引いていました。

YouTubeで「手間のいらない品種」を知った3月

カゴメの品種紹介を見て心が動いた

きっかけは、思いがけないところからやってきました。3月のある日、YouTubeを眺めていたら、ミニトマト栽培のサムネイルが目にとまったのです。野菜からは離れていたはずなのに、なぜか手が止まりました。

なんとなく開いてみると、カゴメの試験農場誰ピッチャー次を訪ねて、いろいろなミニトマトを紹介する動画でした。次から次へと品種が出てきて、トマトにもこんなに種類があるのかと、見入ってしまいました。5年前にあきらめた記憶が、少しずつよみがえってきます。

数多く並んだ品種のなかに、「手間のいらないミニトマト」というものがありました。脇芽かきがいらず、高さもせいぜい1メートルちょっとにしかならない、と紹介されていました。その一言に、心が動きました。5年前につまずいたのが、まさにその脇芽と支柱だったからです。

つまり、私が苦手だったところを、はじめから省いてくれている品種というわけです。それなら、同じ失敗を繰り返さずに済むかもしれません。動画を見ながら、そんなことを考えていました。

動画の後半では、植え付けの方法も紹介されていました。収穫用のコンテナにトマト用の土を入れ、1苗だけを植えるという形です。家庭では、手に入りやすい大きめのプランターやスリット鉢でもよい、とのことでした。

特別な道具はいらないようでした。地植えのように土を掘り返す必要もありません。見終わる頃には、もう一度だけやってみようかという気持ちになっていました。5年ぶりに、土いじりへの気持ちが少し戻ってきたのです。

苗と鉢と土を探して、4月中旬に植えた

店を探して、ひととおりそろえた

そうと決めたら、まず苗を手に入れなければなりません。ネットでカゴメのホームページを探し、苗の正式な名称を確かめました。あわせて販売店も調べてみました。

すると、家からは少し離れたところにあるホームセンターで、カゴメのトマト苗を扱っていることが分かりました。近所の店ではなかったので、少し迷いましたが、せっかく気持ちが乗ってきたところです。行ってみることにしました。

販売時期は4月下旬頃となっていました。まだ少し早いはずです。それでも様子を知っておきたくて、下見のつもりで4月11日に訪ねてみました。すると、すでに「手間のいらないミニトマト」の苗が並んでいたのです。

思いがけず早い再会でした。下見のつもりが、これも縁かもしれないと思い直しました。その場で、苗を1つ、10号のスリット鉢、それにトマト用の土を買って帰りました。あれこれ迷わず、ひととおりそろえられたのも気持ちがよいものでした。

植え付けは10分ほどで終わった

家に着くと、すぐに取りかかりました。気持ちが冷めないうちに植えてしまいたかったのです。することは単純で、スリット鉢にトマト用の土を入れ、1苗を植え付けるだけです。

今回は鉢も専用の土も用意してありましたから、迷うところがありません。植え付けは10分もあれば終わりました。70代の私にとって、これは大変ありがたいことでした。

5年前の地植えとは、まるで勝手が違いました。花壇に植えるとなると、土壌の改良から始めて、植え付けまで、どうしてもかがんでの作業になります。腰には、それがいちばんこたえるのです。鉢であれば、立ったまま手元で作業ができます。これしかない、と思いました。

植えた頃の神戸は、日中はずいぶん暖かく、苗を植えるにはちょうどよい陽気でした。4月の中旬は、霜の心配もまず要りません。早すぎず、遅すぎず、いい時期に植えられたように思います。

植え付けから2か月半、青い実が育ってきた

再生再生メール000これは何お父さん花が咲き、実がつき始めるまで

植え付けが終わると、すぐに支柱を立てました。今度こそ倒したくありません。5年前の失敗が頭にあったので、最初からしっかり支えておくことにしたのです。

2週間ほどで脇芽が広がり、株がぐんと大きくなってきました。手間のいらない品種とはいえ、まったく伸びないわけではないようです。そこで、さらに支柱を4本足して、枝を誘引しました。誘引といっても、伸びた枝を持ち上げて支柱で支えるように、ゆるく結んでやる程度です。

5月13日に花が咲き始めた、と喜んでいたところ、よく見ると、すでに青い実がついていたのです。花の前に実を見つけて、少し驚きました。気づかないうちに、ちゃんと進んでいたのです。

5月の下旬には、青いトマトの数がぐっと増えてきました。毎朝、水やりのついでに数を確かめるのが楽しみになっていきます。ただ、まだ赤くなり始めたものは1つもありません。色づくまでには、もう少し時間がかかりそうです。

6月の初めの今は、小さなものから色づく前の大きなものまで、青い実が100個ほどついています。あまりに多くて、正確には数えきれませんでした。5年前の10個ほどを思えば、ずいぶんな違いです。

ほぼ放任で、アプリに助けられている

手入れといえば、毎日の水やりと、枝の誘引、ときどきの追い肥くらいです。評判どおり、脇芽かきはせずに済んでいて、ほとんど放っておくような育て方で進んでいます。これなら70代でも無理がありません。

カゴメのホームページで紹介されていた「トマサポ!」というアプリも使っています。その日にすべきことが、毎日表示されるのが便利です。水やりや支柱立て、誘引、追い肥、受粉、摘心など、今日は何をすればよいかが分かるので、迷わずに済みます。特に水やりについては毎日天候と共にどの程度やればいいかの提案も出ます。

また、節目の記録も残せるようになっています。開花や着果、色づき、収穫といった折々の写真を撮っておいたり、収穫量を書き留めたりできます。育てる楽しみのほかに、記録する楽しみも加わったように感じています。

分からないことが出てきたときには、AIに尋ねることもあります。撮った写真を見せて様子を聞くと、ちょうどよい手がかりが返ってくることがあるのです。1人で抱え込まずに済むのは、心強いものです。

もう一度植えてみて分かったこと

これから収穫まで、楽しみにしていること

2か月半育ててみて、いくつか感じたことがあります。

1つは、トマトは品種を選ぶだけで、手間がずいぶん変わるということ。同じトマトでも、5年前とはまるで違う育ち方でした。

2つは、脇芽かきや誘引のいらない品種なら、一度失敗した私のような者でも続けやすいということ。苦手な作業がはじめから省かれていると、気持ちがずいぶん軽くなります。3つは、鉢や土、アプリといった、育てるのを助けてくれるものをそろえておくと、気軽に始められるということでした。分からないときには、AIに尋ねれば手がかりが返ってくることもあります。

味のほうは、まだ分かりません。これだけ実がついても、口にするまでは、おいしいかどうかは分からないのです。初めて色づいた1つを口にする日を、今は静かに楽しみにしています。

100個を超える実がついていますから、最終的には200個ほど採れるのではないかと、ひそかに期待しています。収穫が始まったら、「トマサポ!」に個数を書き留めていこうと思っています。

一度うまくいかなくても、品種を変えるだけで、また違う結果になるのかもしれません。私はそう思って、もう一度植えてみました。品種改良は進んでいて、初心者でも育てやすいものが増えているようです。

カゴメのラインナップにも、手軽に育てられるトマトの品種がいくつか紹介されていました。ほかの会社からもいろいろ出ているようですので、気になる方は調べてみるのもよいかもしれません。5年前に一度離れた私でも、また土に向き合う気持ちになれました。それだけでも、植え直してみてよかったと思っています。

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この記事を書いた人

バラや柑橘、季節の野菜づくりを楽しむ70代です。庭の記録や栽培の工夫を中心に、暮らしを快適にするデジタル活用術も、実体験をもとにわかりやすく発信しています。

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